公園で脱いだの騒いだのと、かまびすしい。
ここで、問題です。
《日本で最初に、
ストリーキングをやったのは、誰でしょう?》
36年前です。男です。
役者です。ナレーターもやってます。
とここまで、ヒントを出せば、
回転の良いあなたは、もうお解りですね。
答え;
いしまるけんじろうさん
36年前の3月10日だったか・・
テレビを見ていたら、小野田さんが、ジャングルの中から、
日本に帰国して羽田空港に降り立った。
そのあとの、ニュースが気になった。
「アメリカでは、街中を裸で走り過ぎる
ストリーキングというものが流行っています」
ピ~~ン!
っときた私は、翌日すぐに決行することにした。
(なにがピ~ンなんだろう?)
翌日は日曜日だ。
場所は、人がたくさん集まる、表参道と明治通りの交差点にした。
後見人は、昨日やはりピ~ンときた友人の岩男くんだ。
ピ~ンとはきたものの、彼は、私より足が遅いとの言い訳をし、
選手選考は簡単に決まったのである。
時は、お昼の12時丁度、
ビル群の裏手で着替えを済まし、
(この場合、着替えというのだろうか?)
服一式を抱えた岩男くんが見守る中、
素っ裸のイシマルが、走りだした。
さて、100mを11秒台で走ったという健脚が生きるのか!
裏手から、明治通りの舗道に出た途端、
人ごみの大渋滞にはまった。
走れないじゃ~~~ん!
<ストリーキング=裸で走る>
との定義からすると、歩いているのでは、様にならない。
何より、制服の方に捕まってしまう。
そこで、一計を案じた。
ストリーキングを動詞化して、
「
ストリーク!ストリーク!」
と怒鳴りながら、走ったのである。
何事かと、道が開かれる。
総走行距離、400m、
時間にして、3分ほどの疾走であった。
待ち続けた岩男くんから服を奪い取り、着替えた私。
(ほんとに、着替えたでいいのかな?)
犯人は現場に戻るの言い伝えどおり、犯行現場に向かった。
驚くべき事に、その現場は、
何変わらぬ日常を取り戻していたのである。
キャーキャー阿鼻叫喚を期待していた我々は、力が抜けた。
こんなもんなんだ・・・
そんなもんなんだ・・・
それでも、次の日の朝日新聞の社会欄を開くと・・
《日本で第一号のストリーキング現る!原宿の表参道を、
素っ裸の若い男が、
ホイサホイサと掛声を挙げながら、
走り去るのを・・・》