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すべてが╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! になる - Jenkinsビルドパイプライン結果をプルリクエストに表示する · THINKING MEGANE

THINKING MEGANE

すべてが╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! になる - Jenkinsビルドパイプライン結果をプルリクエストに表示する

Jenkinsのジョブ結果をプルリクエストに表示するときはGitHub pull request builder pluginを使ってますが、単体のジョブでしか利用できなかったので、複数ジョブ(ビルドパイプライン構成)のときに結果を表示する方法をまとめておきます。


ビルドパイプラインの構成

今回のビルドパイプラインはこんな感じを想定しています。

jenkins-build-pipeline

プルリクエストへの更新やコメントをトリガーにジョブが起動し、単体テスト、回帰テストを実行します。 あわせて、実行中、失敗、成功の状態がプルリクエストに表示されます。

成功したらプルリクエストに ╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! って出ます。グッ ! って。

これを満たす以下のジョブをつくっていきます。

  1. ジョブの結果をプルリクエストに表示する
  2. 複数のジョブをビルドパイプラインとして実行する
  3. GitHub pull request builder plugin をトリガーとして利用する

1. ジョブの結果をプルリクエストに表示する

ジョブの結果をプルリクエストに表示するにはコミットのステータスを操作するAPIを使います。

このAPIは、コミットの状態や表示するメッセージ、URLをパラメータとして渡すことができるので、これをラップするようなJenkinsのジョブをつくって他のジョブから呼べるようにしておきます。

設定

ここのポイントはビルドのパラメータ化を使って、ジョブがパラメタを受け取れるようにしておくことです。 これによりジョブの汎用性が高まります。

プロジェクト名

change-github-commit-status

ビルドのパラメータ化

revision

テキストとして追加。対象となるコミット番号を指定します。

target_url

テキストとして追加。ジョブの結果を確認するためのJenkinsのジョブステータスURLを指定します。

state

選択として追加。ジョブの結果を指定します。

選択値は以下のとおり

  • pending
  • success
  • failure

ビルド

以下の内容をシェルの実行として追加

case "${state}" in
  "pending" ) description="|ω・)ミテマスヨ" ;;
  "failure" ) description="_(┐「ε:)_ズコー" ;;
  "success" ) description="╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !" ;;
  *) description="";;
esac

curl -X POST -H "Authorization: token ACCESS_TOKEN" \
  https://api.github.com/repos/:owner/:repo/statuses/${revision} -d "{ \
  \"state\": \"${state}\", \
  \"target_url\": \"${target_url}\", \
  \"description\": \"${description}\" \
}"

このジョブは他のジョブから呼ばれることを想定していますが、パラメータ付きビルドでパラメタを指定することで 単体で実行可能です。

GitHubのプルリクエストに以下のように表示されれば実行成功です。

github-commit-statuses


2. 複数のジョブをビルドパイプラインとして実行する

Jenkinsにはジョブを続けて実行するためのビルドパイプラインという機能があります。

ひとつの大きなジョブにするよりも小さなジョブを組み合わせるほうが柔軟にジョブ構成を組み立てることができます。

今回は以下の構成をつくります。

  1. 単体テストを実行するunit-test
    1. 開始時に、コミットの状態を実行中(Pending)にする
    2. 単体テストが失敗したら、コミットの状態を失敗(Failure)にする
    3. 単体テストが成功したら、下流のジョブ(回帰テスト)を開始する
  2. 回帰テストを実行するregression-test
    1. 回帰テストが失敗したら、コミットの状態を失敗(Failure)にする
    2. 回帰テストが成功したら、コミットの状態を成功(Success)にする

パラメタを下流プロジェクトに渡す

ビルドパイプラインでは対象とするGitのコミット番号やジョブの状態をパラメタとして下流のジョブに渡すことでジョブを連動させることができます。

今回は、こういった用途に便利なParameterized Trigger PluginをJenkinsのプラグインとして追加しておきます。

単体テストジョブの設定

プロジェクト名

unit-test

ソースコード管理

Gitを選択

Repository URLは対象とするリポジトリのURLを指定、Branches to buildは対象とするブランチ名(空白だと全てのブランチが対象)を指定。

ビルド・トリガ

SCMをポーリングを選択

スケジュールには以下のようにポーリングしたい間隔をCRON形式で指定

H/15 * * * *

ビルド

ここでは、単体テストを実行するためのジョブ(シェルの実行)などに加え、 開始時に、コミットの状態を実行中(Pending)にするためのジョブを追加します。

ビルド手順の追加からTrigger/call builds on other projectsを選択します。

追加したビルドに以下の設定を行います。

Projects to builds

change-github-commit-status

Block until the triggered projects finish their builds

チェック不要。Pendingに更新するのを待たずに単体テストを開始します。

Add Parameters

Predefined parametersを選択します。

Parametersには以下を定義してください。

revision=${GIT_COMMIT}
target_url=${BUILD_URL}
state=pending

これで、現在のコミット番号とJenkinsのジョブURL、実行中ステータスをgithub-change-commit-statusジョブに渡して起動することができます。

ビルド後の処理(失敗時のコミット状態の更新)

まず、失敗時にコミットの状態を失敗(Failure)にするビルドを追加します。

ビルド後の処理の追加からTrigger/call builds on other projectsを選択します。

Projects to builds

change-github-commit-status

Trigger when build is

Unstable or Failed but not stableを選択します。

これでジョブ失敗時にのみこの処理が実行されるようになります。

Add Parameters

Predefined parametersを選択します。

Parametersには以下を定義してください。

revision=${GIT_COMMIT}
target_url=${BUILD_URL}
state=failure

ビルド後の処理(成功時の下流プロジェクトの実行)

次に、成功時に下流プロジェクトを実行するビルドを追加します。

先ほど追加したTrigger/call builds on other projectsの下部にあるAdd Trigger...でトリガーを追加します。

Projects to builds

regression-test

Trigger when build is

Stableを選択します。

これでジョブ成功時にのみこの処理が実行されるようになります。

Add Parameters

Pass-through Git Commit that was builtを選択します。

これで、下流プロジェクトに対象のコミット番号が引き継がれます。

回帰テストジョブの設定

プロジェクト名

regression-test

ソースコード管理

Gitを選択

Repository URLは対象とするリポジトリのURLを指定、Branches to buildは対象とするブランチ名(空白だと全てのブランチが対象)を指定。

ビルド・トリガ

上流から起動されるジョブなので特に指定は不要。

ビルド

回帰テストを実行するためのジョブ(シェルの実行)を追加します。

ビルド後の処理(実行結果に基づくコミット状態の更新)

実行結果に基づくコミット状態の更新を行うため、Trigger/call builds on other projectsを選択します。

設定内容は、単体テストのビルド後の処理でコミット状態を更新するトリガーを追加したときと同じです。

Stableの場合に、stateをsuccessで、 Unstable or Failed but not stableの場合に、stateをfailureで指定すればOKです。


3. GitHub pull request builder plugin をトリガーとして利用する

上で述べた構成でビルドパイプラインの結果をプルリクエストに表示することができるようになりました。

しかし、現在のトリガーとしているSCMのポーリングでは、GitHub pull request builder pluginの ようなプルリクエストへのコメント(test this please)によるジョブ実行やアクセス制御は行えません。

GitHub pull request builder plugin はビルドパイプラインには適用できませんが、 その機能をトリガーとしてだけ利用するジョブにすることで先程のビルドパイプラインに組み込めます。

システムの設定

GitHub Pull Request Builder をプラグインとしてインストールします。

このプラグインは Jenkinsの管理 > システムの設定 > GitHub Pull Request Builderから 設定が必要です。

GitHub server api URL

https://api.github.com

Access Token

GitHubのアクセストークンを指定。

トリガーとなるジョブの作成

プロジェクト名

pull-request-trigger

GitHub project

対象となるGitHubリポジトリのURL(http://github.com/:owner/:repo)

ソースコード管理

Gitを選択

Repository URLは対象とするリポジトリのURLを指定。

Branches to build${sha1}を指定。

高度な設定 > Refspec に以下を入力。

+refs/pull/*:refs/remotes/origin/pr/*

ビルド・トリガ

GitHub Pull Request Builderにチェック

ビルド後の処理

下流のビルドを追加します。

ビルド後の処理の追加からTrigger/call builds on other projectsを選択します。

Projects to builds

unit-test

Trigger when build is

Complete(always trigger)を選択します。

これで常にこの処理が実行されるようになります。

Add Parameters

Predefined parametersを選択します。

Parametersには以下を定義してください。

revision=${ghprbActualCommit}

通常、下流プロジェクトにコミット番号を引き継ぐには、Pass-through Git Commit that was builtを選択しますが、GitHub pull request builderではうまくいきません。

これはmergeのコンフリクトを検証するため、内部でmerge commitを生成するためです。 下流プロジェクトにはこのmerge commitされた番号が引き継がれ、そんなコミット番号知らないぞ、となるわけです。

そこで、元のコミット番号が保持されている$ghprbActualCommitをビルドパラメタとして渡すようにします。

下流プロジェクトの設定変更

下流プロジェクトとなるunit-testからトリガーを除外し、パラメタを受け付けるようにします。

ビルドのパラメータ化

revision

テキストとして追加。対象となるコミット番号を指定します。

ソースコード管理

Branches to buildでパラメタで受け取った${revision}を使うようにします。

ビルド・トリガ

上流から起動されるため、SCMのポーリングのチェックを外します。

  • 実際はトリガとなるGitHub Pull Request Builder がコミット状態を一度成功にしますが、下流プロジェクトで状態を上書きするという動作をします。

設定は以上です。Jenkinsの設定を書き出していったら想定以上に長くなってしまいました…

Jenkinsは単体ジョブで使うことが多かったのですが、Parameterized Trigger Plugin があれば汎用的なジョブをつくってビルドパイプラインを構成することで可能性が広がりそうです。

すべてのプルリクエストを ╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! にしよう。

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