地球温暖化
よみ方
ちきゅうおんだんか
英 語
global warming
説 明
地球の平均気温が長期的に上昇すること。地球全体として、気温、降水量、地表の氷の量、気圧配置、海流や海水温度などはさまざまな時間スケールで変化している。そのうち比較的に長い時間スケールの変化を気候変動という(数年以下の周期で変化するエルニーニョ現象などは気候変動には含まれない)。気候変動の原因には、太陽活動の変化、火山噴火による大気中の微粒子の増加などの自然現象によるものと人間活動によるものがある。地球温暖化はほとんどの場合、このうちの人間活動に起因する20世紀以降の急速な平均気温の上昇を指す。
(以下に述べるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次および第6次報告書とその間に出された特別報告書についてはIPCCにリンクが整理されている)
急速な地球温暖化の主な原因は、産業革命以降人間の活動に伴って、温室効果を引き起こす大気中の二酸化炭素やメタンなどのいわゆる温室効果ガスの濃度が急速に高まってきたためである。地球温暖化については、自然の影響が主な原因で、人間活動の影響(人為影響)はないか、あるとしても影響は少ないという人為影響への「懐疑論」もあったが、2013年から14年にかけて公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告書では、複数の精密な気候モデルを用いた解析から、人為影響が支配的であると明確に述べられた。2018年10月発表された特別報告書では、将来の平均気温の上昇幅が産業革命以前の水準から1.5℃と2℃の場合の影響の違いは大きく、ここ数年で世界各国が何をすべきかがとても重要であることを指摘している。
2021年8月に公表されたIPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書の政策決定者向け要約(SPM)において、IPCCは気候の現状に対し、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている。」とした。さらに「気候システム全般にわたる最近の変化の規模と、気候システムの側面の現在の状態は、何世紀も何千年もの間、前例のなかったものである。」とも表現している。
これらIPCCに関する資料は以下から参照できる。
第5次評価報告書 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar5/index.html
1.5℃特別報告書 https://www.env.go.jp/press/files/jp/110087.pdf
1.5℃特別報告書の概要
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/ar6_sr1.5_overview_presentation.pdf
第6次評価報告書 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar6/index.html
アメリカの二つのメディア誌、コロンビア大学の「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」と「ザ・ネーション」の呼びかけで始まった、気候変動の報道を強化するキャンペーン「Covering Climate Now」には、2019年9月現在、世界の約250以上のメディアが参加している。これに参加するイギリスの新聞ガーディアンは、2019年5月にスタイルガイドを更新し、「気候変動(climate change)」よりも「気候緊急事態(climate crisis)」、「気候危機(climate crisis)」、「気候崩壊(climate breakdown)」などを、また地球温暖化(global warming)」よりも「地球酷暑化(global heating)」を使用することを勧めている。ただし、ここに示した新用語の日本語訳はまだ定着したものではない。2023年には国連のグテーレス事務総長が、7月の世界の平均気温が過去最高を更新する見通しとなったことを受け、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化(global boiling)の時代が到来した」と述べた。 https://www.coveringclimatenow.org/
1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)で、当時12歳のカナダのセバーン・スズキさんが、「子どもの環境団体」(ECO:the Environmental Children’s Organization)を代表して行ったスピーチは、大人が行動すべきと子どもの視点から出席者に強く訴え、後にとても有名になった。
2019年9月23日にニューヨークで開かれた国連気候行動サミットでは、スウェーデンの環境活動家である女子学生のグレタ・トゥンベリさんが、地球温暖化への取り組みが遅れている各国リーダーを前にスピーチを行った。温暖化対策を訴えるため、学校の授業をボイコットし、ストックホルムの国会議事堂前で座り込みを始めた彼女には、世界の多くの若者から共感が寄せられ、スピーチに先立つ9月20日には、気候危機への対応を求める世界一斉デモが日本を含む163の国と地域で行われた。
地球温暖化とその対策に関する情報はたとえば以下のようなサイトで知ることができる。環境省のCOOL CHOICEサイトでは、CO₂などの温室効果ガスの排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献するさまざまな取り組みとデータなどが紹介されている。
環境省COOL CHOICEサイト https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/about/
気象庁地球温暖化ポータルサイト https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/index_temp.html
国立環境研究所 http://www.nies.go.jp/
全国地球温暖化防止活動推進センター http://www.jccca.org/
一般社団法人 地球温暖化防止全国ネット https://www.zenkoku-net.org/
公益財団法人 日本環境協会 http://www.jeas.or.jp/
また地球温暖化に対する懐疑論もあるが、懐疑論の主な論点毎に科学的データに基づいた反論をまとめた資料が以下にある。
https://web.archive.org/web/20131202221617/http://www2.ir3s.u-tokyo.ac.jp/web_ir3s/sosho/all.pdf
リオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(地球サミット)におけるセバーン・スズキさんのスピーチ(1992年6月)
https://youtu.be/embed/T9YaagLB5Fg
2019年9月23日の国連気候行動サミットでのトゥンベリさんの演説
https://youtu.be/OAQ-JCYPGac
環境省“2100年の天気予報” 全国140カ所で40度超(19/07/09)
https://www.youtube.com/embed/4jrrxPrG9vY
世界気象機関(WMO):2050年の天気予報(NHK)
https://youtu.be/NCqVbJwmyuo
地球温暖化対策を呼びかけるアスリート達のリレーメッセージ
https://www.youtube.com/embed/ykJ_jeWfGhE
「地球沸騰化(global boiling)」という言葉が用いられた国連のグテーレス事務総長の記者会見(2023年7月27日)。
https://www.youtube.com/embed/dbzjwFbq098?si=a77Uxt3vOJxMObQZ
NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦
https://www.youtube.com/embed/f6J3gptt76I?si=q1XbTKZ2PmslGuwY”
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2024年08月15日更新
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